ごあいさつ
あらすじ
スタッフ・キャスト

「動物農場」から「新・動物農場」へ

東口 次登

オーウェルと『動物農場』

川端 康雄(日本女子大学教授)

「父とジョージ・オーウェル、私と動物農場」

羽深 加寿男

ジョージ・オーウェルの生きた時代とロシア革命

出演者のことば

シュールに!ミステリアスに!

西口司郎(イラストレーター)

『願い』

松原康弘(人形美術)

「新・動物農場」の舞台にむかって

西島加寿子(舞台美術)

『自由への歌』

一ノ瀬季生(音楽

稽古フォット

 

シュールに!ミステリアスに!

イラストレーター 西口司郎

 人形劇団クラルテによる、J・オーウェル原作「アニマル・ファーム」の再演「新・動物農場」の劇場公演用チラシ、ポスターのイメージイラストをお手伝いする事になりました。最初に打ち合わせの時に、動物をメインに表現したことがないので他の作家を紹介しようと思っていたのですが、「ミステリアスに」「シュールに」「一味違った」「クラルテにはなかったような」と絵心を擽るようなお願いがあり、その気になってしまったのが本音です。前回の「動物農場」は拝見していたので、ダークな物語としては興味深いものがあったのですが、いざ自分が描くことになると、如何せん「豚」が主人公ですから悩みました。クールな表現ができるかなあ。
 私の仕事はミステリィー小説や警察小説、スナイパーやテロリスト、特殊部隊が主人公の謀略小説、法廷小説等の単行本、文庫本の装画を描いていますので極力意識して余分な物を排除しながら、読者のイメージを膨らませる事に集中するのですが、今回は動物のオンパレード。豚さん一匹、ナポレオン一匹では許してもらえそうもなく案の定、登場動物の総動員、大サービスのイラストになりました。メインビジュアルは苦労しました。
 豚のナポレオンをゴージャスな雰囲気で権力の象徴として絵のセンターに鎮座させ主従逆転の立場を表現する為に人間を鳥籠に入れて見ました。一番こだわった部分がカラスです、時代が変わっても、どのような立場になっても不滅の傍観者として登場させました。暗い昨日も、明るい明日も、特別な人達の平等も、選ばれなかった人達の平等も見続けて行くでしょう。「新・動物農場」の為のイメージイラストが、公演の一翼を担ってくれる事を願っております。