かってなくま

現代作家の絵本より

ある日、くまが一生懸命に野原を耕していると、うさぎがやってきて「何作ってるの?にんじん?」「ふん、ぼくのかってだろ」くまは全然相手にしません。次の日、くまが種をまいていると、たぬきがやてきて「何の種?トマト?きゅうり?」「ふん、ぼくのかってだろ」
次の日、くまが水をまいていると、頭から水をかけられたもぐらが怒って「何で水をまくんだ」「ふん、ぼくのかってだろ」
やがて、芽が出て喜ぶくまに、りすが聞きました。「何の芽?クルミ?」「おい、芽を食べたらふみつぶすぞ」「なんて、かってなくまなの!」怒ったみんなは、もうほうっておこうと決めました。そしてくまの「バンザーイ!」という声が響くと、野原一面色とりどりの花畑!嬉しくて嬉しくてしかたがないくまは、その花を摘むと…。

原作 佐野洋子(偕成社刊)
脚色 東口次登
演出 西村和子
美術 永島梨枝子
音楽 一ノ瀬季生
上演時間 約20分

(同時上演:「きつねのおふろ」)