"紅葉狩り剣のゆくえ"

口上


人形劇団クラルテが、近松門左衛門の「女殺油地獄」を現代人形劇として上演しましてから二十四年。
昨年、亡くなりました吉田清治のライフワークとなりました近松をはじめとする古典シリーズは、現代人形劇の新しい世界を創りだしてきました。
そして、クラルテの大きな財産となりました。「しんとく丸」を最後の仕事として世を去りました先達、吉田清治の夢を、彼と共に数多くの古典ものをつくってきました劇団員一同、今年の「紅葉狩り剣のゆくえ」で、すこしでもかなえようと、総力をあげて上演いたします。
クラルテの古典シリーズの新たな第一歩、時代物「もみじ狩剣本地」よりの「紅葉狩り剣のゆくえ」、是非ご高覧賜りますよう、お願い申し上げます。
一九九七年十月   
      

人形劇団クラルテ