おばけのバーバパパ
原作/タラス・テイラー、アネット・チゾン
翻訳/やました はるお(偕成社刊)、脚色/松本則子
音楽/一ノ瀬季生、美術/松原康弘



バーバパパになりたいんだけど

 大きくて、やさしくて、暖かくて、おいしそうなバーバパパです。バーバパパをじっとみているだけで幸せな気持ちになります。

  今、こどもたちの周りにバーバパパのようなおとながいるだろうか、ふと考えてしまいます。どんなに邪険にされて手荒くされても母を慕うこども。うまれたところが戦場で死ぬために生まれてきたようなこども。飢えと寒さで暗い目をしたこども。

  一度くらい「喜びにあふれたこどものニュースしかなかったな」という日を過ごしてみたいと思います。
  どういうものか人形劇を仕事としてもう40年になります。続けてこられたのは、人形劇を見ているこどもたちの笑顔です。私の中には人形劇を仕事としてきて幸せだなと思うことがどんどん増えてきているのに、こどもたちの周りには不幸なこと、悲しいことが多すぎます。

  バーバパパになって世界中のこどもたちに、大きくて、やさしくて、暖かくて、おいしそうなものをいっぱい届けられたらいいなと思います。でも、人を憎む気持ちや、羨ましく思う気持ちや、ひがんでしまう気持ちがまだまだいっぱいあるから、まず自分の気持ちを何とかしなければと思う毎日です。

  とてもバーバパパにはなれません。

  ある日、発見したのです。人形劇ならできるかもしれないって。そんな思いでバーバパパの人形劇を作ってみました。トロンボーンという愉快な楽器と一緒に歩くバーバパパの誕生です。  


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