ふつうのなくま

現代作家の絵本から

くまの家には昔から空を飛ぶ赤い布がありました。でもこの布に乗って空をとんだくまはおじいさんの、おじいさんの、おじいさんくらいで、ふつうのくまはみんな飛びたいと思うけれど飛べませんでした。ある日くまは赤い布をもって出かけました。それを見てねずみはもうくまは帰ってこないと思い、空を飛ぶくまでなくて、ふつうのくまでもずっといっしょのほうがよかったのにと泣きました。ところが、くまは帰ってきたのです。空を見事に飛んで。
二人は並んで散歩に行きました。そして「今の今が幸せだね」とそっと風につぶやきました。
ともだちとの別れと出会いの感動をお届けします。

 ※上演時期要相談

原作 佐野洋子(講談社刊)
脚色 松本則子
演出 西村和子
美術 永島梨枝子
音楽 一ノ瀬季生
上演時間 約30分

※同時上演「さかないっぴきなまのまま